理事長所信

不易流行

【55周年を迎えて】

 本年度、公益社団法人こだま青年会議所は55周年という、記念すべき年を迎えます。
1969年に本庄青年会議所として設立し、時代に合わせて名称の変更や法人格の選択などの変遷を遂げて参りました。本年を迎えられたのは、これまで多くの先輩諸兄姉がバトンを繋いできて下さったおかげと感謝申し上げます。私自身もひとりのバトン走者として、次世代へより良い状態で繋いで参ります。
 近年は予期せぬことばかり起き、昨年は戦争が起こったことで世界に大きな影響を与えています。時代の移り変わりも激しく、自身の生活もままならない状況ながら、青年会議所は変わらず「明るい豊かなまちづくり」を続けています。その姿勢を目の当たりにすることで、時代に合わせた縮小より、さらに前向きに運動を続けていかないといけないと強く感じました。  持続可能な体制を築き、60周年をより良い状態で迎えため、55周年となる本年の所信を掲げます。

【これまでの感謝と未来に向けて】

 本年度55周年を向かえるにあたり、周年を記念する場が必要です。その場では、これまで連綿とバトンを繋いで下さった感謝、地域において応援して下さった感謝と共に、60周年に向け積極的な運動姿勢を示す必要があります。その積極的な姿を見て頂き、これなら安心だ、今後も地域になくてはならない、応援していこうと感じるお披露目の機会とします。
さらに「こだま未来計策」を体現する記念事業も必要です。それは単に締めくくりではなく、新たな60周年に向けた財産とします。財産とは、地域に新たな価値観をもたらしながらも、夢として継続的に行えるものと捉えます。具体的な夢として、こだま地域に縁のあるスポーツが、オリンピックでのメダル獲得やプロ化と見据えます。地域住民にとってはそのスポーツの発展・成長が自身の夢にもなるよう、初年度はその応援体制の確立を目標とします。ここで描く夢は、いずれ地域の文化へと昇華し、今後も長く愛されるものになると確信します。

【発展と成長の機会の提供】

 近年は会員減少により、役職付きメンバーに負荷が掛かっていました。その姿を見ている他のメンバーは、負担の多い役に就くことを不安に感じます。会員減少に加え、役職に就くことを不安視する負の連鎖ともいえる状況に、60周年を迎えることができるか危機感を抱きました。
JCI Missionでは、「社会により良い変化をもたらすための発展と成長の機会を提供する」とあります。いくら会員が増えても、役に就くことを躊躇っては、成長に繋がる機会を逃してしまいます。私自身、委員長職を真剣に経験することで、地域貢献や青年会議所の必要性を痛感し、より積極的になれました。
 本年度は役職付き会員の負担を分散する施策を講じつつも、まずは自身が事業構築という産みの苦しみの中からも楽しむ姿を見てもらい、ボトムアップを図ります。さらに入会歴が浅いメンバーには、会の仕組や意義は出席すれば自然と理解できる、というスタンスではなく、積極的かつ丁寧なサポートが必要です。サポートの結果、次年度で積極的に役職に就くメンバーが出るという、好循環が産まれると確信します。

【魅力ある団体としての発信】

 青年会議所の魅力は、友情や仲間づくりと評されることがあります。私自身もそう思い、仕事だけでは出会えない仲間ができました。ただ、入会検討者には、社会で必須となる事柄に、いち早く触れることのできる団体だ、ともお伝えしたいです。
私はコロナ禍以降社会で必須となった、オンライン会議を初体験したこと、SDGsという言葉を初めて知ったのは青年会議所で、大変貴重な機会でした。
全国の同じ立場にあるjayceeが、どうにか移り変わる社会を生き抜こうと必死になっているからこそ、いち早く経験し、それを他LOMへ伝播している結果です。この社会で必須となる事柄を一歩先に知れることは、青年経済人にとって大変貴重です。
さらに、いつか経験できるではなく事業として行うことで、積極的に成長・研鑽につなげる姿勢を取ります。社会課題の解決につながる事業を行うことは、青年会議所の評価や価値も上がり、会員の在籍理由にもつながると確信します。

【持続可能な会員数】

 役職の負担分散や、成長の機会を求めるだけでは、会は持続可能にはなりません。一年を通して事業を行い、地域やヒトに対して良い影響を与え続けるには、やはり会員数が必要です。私は理事が例年約20名であることを鑑み、持続可能な会員数は40名以上と感じます。
近年の40名を下回ってスタートする会員数は、会存続の危機感を覚えます。40歳で卒業を迎える、平均年齢の若い会員で構成される青年会議所こその魅力が多くあります。入会検討者には、私自身がまずは率先して魅力を伝え、さらに会員全員で同じ魅力を語る必要があります。それには、会の魅力や54年に亘る地域への貢献や功績が、分かりやすく説明できる資料と、動画も活用し魅力を伝えます。結果56年度には45名スタートが切れるよう、会員拡大を図ります。

【社会で必要とされる力を育む教育】

 企業や行政等ではDX化が求められ、その上で欠かせないデジタル人材と呼ばれる学生は、奪い合いが起きています。デジタル社会では場所や時間、就業形態に囚われない働き方が可能です。ITの技術は、長時間労働や休日出勤の削減、フリーランスの選択、育児中の女性活躍の推進等にもつながります。学校教育でもその流れは起き、プログラミングが義務教育化されるなどデジタル化が進んでいます。
様々な社会問題のなかで、課題解決のひとつがデジタル人材の育成であると確信します。その育成に社会も動いていますが、任せきりでよいとは感じません。地域の青少年教育に長く関わってきた我々は、未来を見据えた人材育成も担っていると自負します。そこで、この地域からデジタル人材を輩出するための、仕事の魅力や予備知識、関連する職業を知ってもらい、なりたい職業となる働きかけを行います。
結果、職業選択の幅を広げ、将来的には地域での起業、都市部で就業し地元でリモートワークという形態につなげたい想いがあります。地域での起業や就業が進むことで、男女問わない多様な働き方と活躍の推進にもつながると確信します。学びと気づきの機会の提供を図り、この地域から社会で必要とされる「人財」を育成するきっかけとします。

【子育て世代の集まる持続可能な地域へ】

 こだま地域は高速道路や、在来線、新幹線へのアクセスが整い、地盤も強固で緑も広がる住みやすい街といえます。本庄道路の第二期区間の事業化が決定するなど、交通の利便性向上が図られる施策もあります。地域の現状は、より子育て世代を呼び込めるポテンシャルを持っていると感じます。
さらに我々青年会議所は、地域に様々な団体があるなかでも子育て世代の多い、または子育て世代になりうる年齢の会員が在籍している団体です。この年齢構成の団体だからこそ、子どもたちのため地域の未来のため、柔軟に発想し提案していくことは重要です。
そのポテンシャルを持ったこだま地域を広く知って頂くため、地域で人口増につなげたい想いがあります。それには実績を上げている地域も参考にした仕掛けや施策が必要であり、それを提案するのは我々青年会議所以外にないと考えます。
子育て世代が増加し続けることは、持続可能な地域になるためにとても大事な要素です。60周年までにこだま地域1市3町いずれかが、全国でも有数の住みよさと証明されることを目指した、施策の披露を行います。

【会議体としての多様性】

 コロナウイルス感染拡大以降、青年会議所でもオンライン会議は一般的となりました。アフターコロナでも、コロナ禍以前に回帰することはないと言われ、リモートワークが定着する見通しです。私自身理事になりたては、常に対面で長時間な理事会が、いつかリモート開催になってほしいと夢見ました。いまやそれは現実となり、利便性の代わりに、聞き取りやすさや想いを伝えることの難しさが浮かび上がり、対面の重要性も増しています。リモートでも変わらない聞き取りやすさ、表情の見える設営とすることで、どの立場でも役職に就くことのできる環境を整備します。さらに、理事メンバー以外でも理事会を視聴できることや、時代に即したその他試みを行うことで、多くのメンバーにとって発展と成長の機会とします。

【結びに】

 こだま青年会議所は、地域の明るい豊かなまちづくりのため、なくてはならない団体であると確信します。だからこそ60周年、65周年と連綿と紡いでいける団体である必要があります。本年度は持続可能な団体へのさらなる一歩の年になるよう、精進して参ります。どうぞよろしくお願い致します。

基本理念

地域の明るい豊かなまちづくりをこれからも

基本方針

60周年に向けた会の発展
ワクワク成長できる機会の提供

スローガン

不易流行
~持続可能な団体に、さらに一歩前へ~

第55代 理事長 八木 雅之